8 球状スピーカアレイ



    球状スピーカアレイは,円弧状に多数のスピーカを並べた装置です. 直径は3.55m(スピーカ~中心:1.5m) ,スピーカの数は10゜間隔で水平方向36個,鉛直方向35個で, 下にあるモーターにより全体を0.1゜単位で水平方向に回転させることができます.


Spherical speaker array system
球状スピーカアレイ



     球状スピーカアレイの意義

      人は音を聞くとどこから音がしているのかを感じることができます. これは,音の音源から耳までの伝わり方に大きく関係し, 頭部伝達関数:HRTF(Head Related Transfer Function)として表すことができます.  HRTFは音源の位置によって変化します.したがってHRTFの測定には多くの位置から音を出さなければなりません. このHRTFを計測する目的で作られたのが球状スピーカアレイです.



     所望の音像の実現

      HRTFを使うことによって,複数のスピーカを用いて,スピーカが置かれていない任意の位置から, あたかも音がするような感覚を生成することができます.この時に音が感じられる仮想的な音源を音像と呼びます.  音像を,所望とする位置に生成するためには,HTRFをどのように処理するべきかを調べることも重要であり, 本装置はそういった要求にも対応できます.

      hrtf
      所望の音像の位置から聴取者までのHRTFと 提示する音のHRTFを同等にすることで所望の音像が得られます.
      音像の例