8 仙台芋煮の作り方



仙台の芋煮会

    芋煮会とは,河原などで鍋料理を作って食べる行事です.東北の秋の風物詩として知られています.
    山形・宮城で最も盛んに行われていますが,福島県,秋田県でも行われているようです.
    古くから親睦を深める行事として,家族・友人・地域・学校・職場などで行うことが多いようです.
    由来には諸説ありますが,秋の稲の刈り入れどきが里芋の収穫期と重なっており,稲の刈り入れ時に行われた鍋料理の習慣に由来するとの説があります.
    また他説では,舟着き場で船頭が鍋を囲んで舟を待ったことに由来するという説(中山町長崎の説)もあります.



    仙台の芋煮会は確かに山形のものより正統性が少ないように思えますが,それはそれでそれなりのスタイルはあるものなのです.

    仙台では,ご存じのように,山形の牛肉,醤油仕立てに対して,芋煮に豚肉を入れ,味噌仕立てで作ります.
    昭和45年以来,ほとんど毎年,仙台風芋煮の製作に当たってきたノウハウをご伝授申し上げましょう.


買い出し編

    芋煮の材料はざっと次の通りです.

    1. さといも    2kg/10人
    2. 豚肉 細切れ 
                500g/10人
                5mm厚バラ 500〜1kg/10人
    3. だいこん    1本/10人
    4. 人参      2本/10人
    5. 白菜      0.5株/10人
    6. ごぼう     1本/10人
    7. きのこ     各種・ふんだんに
    8. 焼きどうふ   2丁/10人
    9. あぶらげ    2枚/10人
    10. しょうが    少々
    11. ねぎ      1束/10人
    12. こんにゃく   角こんを指でちぎっていれます
    13. みそ      おもいきって
    14. しょうゆ    少々
    15. お酒      芋煮に入れる分と,飲む分も忘れずに
    16. 一味とうがらし
         


    さて,まず,これらの材料を買い出しにいかねばなりません.
    まず,夕方4時頃,ダイエーをちょっとのぞき,さくら野の地下もちょっとのぞいて,スーパーの値段を頭にいれます.
    ちょっと遠出してビッグハウスまで行けば,安くあがることもあります.
    つぎに,朝市に向かいます.野菜は大概,スーパーより朝市の方がずっと安いのですが,市場価格の調査は大事です.
    なにせ,みなを代表して買物に臨んでいるのですから,むだづかいはできません.

    朝市についたら,すぐに買物を開始してはなりません.
    まず,おばちゃんをひやかしながら,おばちゃんの在庫量と,値段,それに,おばちゃんたちの性格の分析を行います.
    とくに予算にひびくのは,いい芋をいかに安く手に入れるかです.
    この時間になっていると在庫をたくさんかかえているおばちゃんたちは大概おおまけしてくれますが,なかにはがんとしてまけようとしない人もいます.
    その辺を分析しながら,一往復して,いよいよ購入開始です.ここでは,まず芋を買い,あとはどとうのように思い付くまま買えば良いのです.
    きのこはどっさりかいましょう.スーパーの方が安いものは,そちらで買えば良いのです.



製作編

    では,目的地について,いよいよ製作開始です.



    材料の下ごしらえで大事なのは,大胆にやるということです.大根は10立方cmぐらいに乱切り,人参もそれよりは薄めに乱切り,ごぼうは薄くそぎ切りにします.
    こんにゃくは手でちぎりましょう.お湯は沸きましたか.

    まず,丸のままか,2つぐらいに切ったお芋と,豚肉の細切れを入れます.そして,お味噌をおたまに一杯ぐらい加えます.
    これを忘れるとお芋がなかなか柔らかくなりません.これは,お味噌で浸透圧が高くなるためと考えられます.
    その後,ややあって,人参,ごぼう,大根等を加えます.
    こんにゃくを入れ,お芋が柔らかくなってきたら,ねぎ以外の野菜とバラ肉,きのこ,あぶらげ,豆腐などをぶちこみます.
    おろししょうがもここで適当に加えます.ひとにたちしたら,お味噌と,お酒を入れて,8分どうり味を整えます(あ,飲む以外のお酒も忘れないで).
    適当にあくをすくっていると,肉や野菜も煮えますから,ねぎを入れ,最後のひと味を,醤油と味噌でととのえます.

    さあ,出来上り.一味とうがらしをたっぷりふって召し上がれ!

    仙台の味はいかがです?


「学友会アマチュア無線部に伝承されているノウハウ」より

追記:小笠原亮(2005.4.28)



Last update: 2005.4.28
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