8 鈴木研究室×創工学研修  2006-2007


今回は,PICと呼ばれる周辺機器制御ICを用いた電子楽器製作がテーマです.
なお,今回はPICの中でも,BASICスタンプという初心者向けのICを用いました.
今回はこのマイコンを使って,一年生のみなさんに,電子楽器制作に取り組んでもらいました.


※BASICスタンプは,PIC,レギュレータや発振子,メモリなど,PICを使う際に最低限必要な回路が 搭載されたICで,実動作中のデバッグも可能です.開発言語はPBASICと呼ばれるもので, 様々なコマンドが用意されています.ただし,初心者向けということもあり,機能は基本的なものだけです



  斎藤宙也君の作品    &優秀賞 「ABSOLUTE」
æ 特徴
  1. 3つの音程スイッチにより8通りの音を出力,裏のオクターブスイッチ同時押しで1オクターブ上がる
  2. 傾斜センサによる,傾けたときの音色変化
  3. 音程つまみで音程をやや上げ,エフェクトをかけることが可能

æ コメント
    できるだけ,少ないスイッチで多くの音を鳴らすことを考えた結果,ギターという楽器にたどりついた. その後はできるだけギターのエフェクトなどを再現できるよう試行錯誤した.



  大森郷史君の作品    「光ピアノ」


æ 特徴
  1. 鍵盤を押すとそれに対応した音階の音が出る
  2. 光レジスタに当てる光の量を変化させることによって抵抗値を変化させ,3オクターブ分の音域を確保できる

æ コメント
    実際に鍵盤を使ったり,構造を考えたりと,工夫した.
    ただし,途中で構造を変更したり,光レジスタの光の量の調節が難しいなどの苦労があった.



  工藤行善君の作品    「ピアノ型シンセサイザ」
æ 特徴
  1. 2オクターブ分の音を同時押しという作業により9個のタクトスイッチで実現
  2. テンポスイッチによるテンポを上げ下げでき,同時押しでポーズ状態になる
  3. 鍵盤の音の直前にわずかの間音を鳴らすことで同時に鳴っているようにした
  4. 伴奏用ボリュームは伴奏のみを,メインボリュームは鍵盤の音と伴奏をコントロールし,伴奏が鍵盤の音より大きくなることはない

æ コメント
    メインの入力は鍵盤スイッチを用い,その他の入力もスイッチやボリュームなどを使用して,市販のシンセサイザっぽさが演出できた.



  小村祐司君の作品    「Dance With Ampanman !! 」
æ 特徴
  1. メインの音楽に合わせて光センサを押さえ,そのパターンごとの音で伴奏を鳴らす
  2. メインの音の後に,短い伴奏の音を鳴らすことで同時に鳴っているようにした
  3. メインの音楽と伴奏の音量はそれぞれコントロール可能

æ コメント
    プログラムや回路設計といったことを学びながらも,何よりも楽しくこの創造工学研修を受けることができた.



  末永尚史君の作品    「テルミン型シンセサイザ」
æ 特徴
  1. 2つの測距センサで音程と音量を変える
  2. スイッチのON/OFFの組み合わせで演奏モード(連続モード・音階モード),音色(波形・エンベロープ)を変える
  3. エンベロープは複数ピンをそれぞれ分圧の比を変え,出力する順番を制御することで生成

æ コメント
    どうしても鍵盤を使いたくないということからはじまり,テルミンのような演奏方法と たくさんのモードによって,おもしろい楽器ができた.



  深澤義宏君の作品    「オルゴール型シンセサイザ」
æ 特徴
  1. 穴を開けたスコアシートを読み取りに使い,巻き取ることによる自動演奏が可能
  2. クリアな音とビブラートのかかったような音の2種類を選択可能

æ コメント
    光センサとスコアシートの巻き取りとの一連の動作をうまくするのに非常に苦労したが, 読み取らせて,演奏させるということが実現できた.






  総合コメント

    思い通りに演奏ができた人,そうでなかった人もいたかと思いますが, 今回は回路構成とプログラミングという二つの作業を身をもって体験し, 良い経験になったのではないでしょうか.この 研修を通して得た経験や知識を自分の将来に役立て,社会に 貢献してくれることを期待します.
    (鈴木研究室)




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