図.両耳分離補聴の概要
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補聴の方法のひとつに,高い音の成分と低い音の成分を左右の耳に分けて入力する
“両耳分離補聴”という方法があります.本研究室では,この両耳分離補聴の効果,
及び実用化に向けての研究を行っています.
私たちの耳の中の“蝸牛”というところでは,耳に届く音がどのくらいの高さなのか分析しています.
加齢により蝸牛の機能が低下すると,低い音によって高い音がかき消されやすくなり,
言葉の聞き取りが難しくなってしまいます.
研究の結果,両耳分離補聴は周波数の聞き分けや,時間的に連続する音を聞き分けることが
困難である難聴者に対して有効なことが示されました.
また左右の耳に入力される音の時間をずらすことにより,この補聴方法で問題だった
正面方向の音像の知覚を改善できることを示しました.
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音声を聞き取る能力の評価
図.親密度別単語了解度試験用音声データベース
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聴力がコミュニケーション手段であることばの聞き取りに多く
用いられることを考えると,実生活での音声の聞こえを評価する検査法が重要となります.
本研究室では,“音声を聞き取る能力”を評価する,新しい聴力測定方法について研究を行っています.
音の大きさが同じであっても,そのことばを知っているかどうかで聞き取り易さが違います.
そこで,なじみの程度を表す親密度という尺度で言葉の難しさを合わせた,
単語了解度試験用音表“FW03”を開発しました.実際に“FW03”を用いた試験が実施され始めています.
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