音響情報システム研究分野(鈴木研究室)の系譜
二村・曽根研究室の時代(1978.6-1980.3)
 二村教授は,1978年4月から電気通信研究所の所長に就任し,工学部電気工学科を離れました.また,この年6月には曽根助教授が通信工学科の教授に昇任しました.したがって,1980年に二村教授が停年により退官するまでは,二村・曽根研究室の時代ということになります.電話でも「二村・曽根研です」と出ていたことを懐かしく思い出します.
 曽根教授は,1954年に東北大学工学部に入学,卒業研究,修士課程,博士課程を通じて二村研究室に所属,1963年3月に博士課程を修了すると,同年4月から工学部電気工学科助手に採用となり,1964年12月に同学科助教授に昇任していました.研究のみならず,大学院生時代から電磁気学演習を担当するなど,抜きんでた仕事ぶりだったようです.先生は中学のころから音楽を愛され,それもあって音響学を志したということです.大学院時代に,音響機器の特性を,音を聞く人間の側から解明する立場で研究を開始.これは当時,極めて先進的なアプローチでした.1960年に,人間の音色知覚が4次元の空間でほぼ表現できることを発表したところ,当時の電電公社通研の大御所から「音が辛い甘いとは何事ぞ」としかられたという逸話が残っています.これは,いかにこの研究が先進的であったかを示すものともいえましょう.

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